アスベスト(石綿)健康被害と補償金給付申請 ~石綿肺の解説と弁護士に依頼するメリット~

今回は、アスベスト関連疾患の一つである 「石綿肺」 についてご説明します。
1 石綿肺とは?
石綿肺とは、肺が線維化してしまう「肺線維症(じん肺)」の一種です。
粉じんを長期間にわたり大量に吸入することで肺の組織が硬くなり、弾力性を失ってしまいます。
その中でも特にアスベストが原因で発症した肺線維症を「石綿肺」と呼びます。
⑴ 石綿肺の特徴
- 発症のリスクは、アスベスト粉じんを 10年以上吸入した労働者 に高いとされています。
- 潜伏期間は15~20年 と長期にわたり、退職後に発症するケースも少なくありません。
- アスベストへのばく露がなくなった後も症状が進行する可能性があります。
⑵ 主な症状
石綿肺は次の症状が特徴となります。
- 初期:息切れ
- 進行期:咳・痰の増加
- 重症化:呼吸不全に陥ることもある
⑶ 治療方法
いくつかの治療方法は存在しますが、いずれも長期的なものであり確定的なものではありません。
- 鎮咳剤・去痰剤による薬物療法
- 慢性呼吸不全に対する在宅酸素療法
※ステロイド療法は効果がないとされています。
2 石綿肺と補償金給付制度
石綿肺をはじめとするアスベスト関連疾患にかかった場合、国の制度により補償や給付金を受けられる可能性があります。
主な制度は次のとおりです。
- 労災保険制度
労働者としての業務上曝露が原因の場合に適用。 - 石綿健康被害救済制度
労災に該当しない場合でも、一定の疾患であれば救済給付を受けられます。
※給付内容には、医療費の自己負担分補填、療養手当、葬祭料、遺族補償などが含まれます。
3 給付金申請等を弁護士に依頼するメリット
補償金給付の申請手続は、一見すると書類を提出するだけのように思えますが、実際には診断書の内容やばく露歴の立証などで専門的な知識が必要です。
弁護士に依頼するメリットとしては次のものがあげられます。
① 曝露歴の整理・証拠収集のサポート
どの現場で、どのようにアスベストに接触していたのかを法的に整理します。
② 申請書類の不備防止
書類不備で給付が遅れるリスクを減らせます。
③ 不支給決定への不服申立て
認定が却下された場合も、弁護士が対応すれば適切に異議申立てを進められます。
④ 遺族による請求にも対応可能
ご本人が亡くなられた後も、遺族が給付を受けられる場合があります。
4 まとめ
石綿肺は、アスベストによる長期ばく露が原因で発症する深刻な病気です。
しかし、国の制度を利用すれば補償金や給付金を受けられる可能性があります。
手続に不安がある方や、過去の職歴・ばく露歴の立証で悩まれている方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
専門的な知識と経験をもとに、最適なサポートを行います。
あかがね法律事務所はアスベストに関する補償給付申請等も取り扱っております。
下記よりご相談をお待ちしております。