アスベスト作業によって健康被害が出たかはどう判断すればよい?

これまで、アスベストによる健康被害を受けた場合には補償請求をすることができることを紹介しました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回は、ご自身の健康被害がアスベストによるものか否かを判断するための要素をご紹介します。
1 代表的なアスベスト作業
アスベストにさらされる作業に従事していた場合、将来、肺がん(原発性)や中皮腫等の健康被害が生じるおそれがあります。
特に中皮腫については、アスベストとの因果関係が強く指摘されています。
また、これらの疾病については、アスベストにさらされてから発症までの期間が非常に長く、肺がん(原発性)で15~40年、中皮腫で20~50年との特徴があります。
アスベストに関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会「アスベストばく露歴把握のための手引」によりますと、被爆のおそれがあるアスベスト作業は、以下のような様々なものがあるのです。
- アスベスト鉱山での作業
- アスベスト製品の製造に関わる作業
- アスベストやアスベスト含有岩綿等の吹きつけ、張りつけ等作業
- アスベスト原綿またはアスベスト製品の運搬、倉庫内作業
- 配管・断熱・保温・ボイラー・築炉関連作業
- 造船所内の作業
- 船に乗り込んで行う作業(船員その他)
- 建築現場の作業(建築現場における事務職を含めた全職種)
- 解体作業(建築物・構造物・アスベスト含有製品等)
- 港湾での荷役作業
- 発電所・変電所・その他電気設備での作業
- 鉄鋼所または鉄鋼製品製造に関わる作業
- 耐熱(耐火)服や耐火手袋等を使用する作業
- 自動車・鉄道車両等を製造・整備・修理・解体する作業
- 鉄道等の運行に関わる作業
- ガラス製品製造に関わる作業
- 石油精製、化学工場内の精製・製造作業や配管修理等の作業
- 清掃工場または廃棄物の収集・運搬・中間処理・処分の作業
- 電気製品・産業用機械の製造・修理に関わる作業
- レンガ・陶磁器・セメント製品製造に関わる作業
- 吹きつけアスベストのある部屋・建物・倉庫等での作業(教員その他)
- エレベーター製造または保守に関わる作業
- ランドリー・クリーニングに関わる作業
- ガスマスクの製造に関わる作業
- 上下水道に関わる作業
- ゴム・タイヤの製造に関わる作業
- 道路建設・補修等に関わる作業
- 映画放送舞台に関わる作業
- 農薬・バーミキュライト等を扱う作業
- 酒類製造に関わる作業
- 消防に関わる作業
- 歯科技工に関わる作業
- 金庫の製造・解体に関わる作業
- その他のアスベストに関連する作業
このようにアスベストが様々な場面で利用されていたことから、その作業範囲も広範にわたります。
2 健康被害の具体的症状
アスベストにさらされる作業に従事した方に、次のような日常生活における症状が認められるときには、アスベストによる被害である可能性があります。
上記作業に従事しており、次の症状に心当たりのある方は医師の診断を受け、アスベスト被害によるものかどうかを確認する必要があります。
- 息切れがひどくなった
- せきやたんが以前に比べて増えた
- たんの色が変わった
- たんに血液が混ざった
- 顔色が悪いと注意された
- 爪の色が紫色に見える
- はげしい動悸がする
- 風邪をひいて、なかなか治らない
- 微熱が続く
- 高熱が出た
- 寝床に横になると息が苦しい
- 食欲がなくなった
- 急にやせた
- やたらに眠い
なお、厚生労働省が作成した「アスベスト自記式簡易調査票」でも簡易な自己診断ができますので、試してみてはいかがでしょうか。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/roudousya2/dl/40.pdf
3 まとめ
いかがでしたでしょうか。
アスベスト作業やその症状は広範にわたります。
一度、ご自身の症状や過去の作業を振り返ってみてください。
あかがね法律事務所はアスベストに関する案件も取り扱っております。
下記よりご相談をお待ちしております。