トレントでアダルト動画違法DL 【逮捕や前科がつくことはある?】知っておくべきことと対応策

近年、トレント(BitTorrent)を利用してアダルト動画を違法にダウンロードしたユーザーに対し、制作会社や権利者がプロバイダに発信者情報開示を求めるケースが急増しています。
今回は逮捕の可能性や前科がつくリスクはあるのか解説していきます。
1 違法ダウンロード:現状と法制度
⑴ 違法ダウンロードの刑事事件化
著作権法では、有償で提供されている音楽・映像の違法ダウンロード(アップロード)を、刑事罰の対象とする規定が定められています。
法定刑は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金、またはその併科 とされています。
さらに、令和3年1月からは、映像や音楽以外の著作物(漫画・写真・書籍など)も、規制の対象に拡大されました。
なお、本罪は親告罪です。
つまり、権利者側が告訴しなければ、刑事手続き(逮捕・起訴など)が開始しません。
⑵ 逮捕が現実に起こるのか
実務上、違法ダウンロード(アップロード)だけで逮捕されるケースは非常に少ないとされています。
逮捕が起こる可能性が高まる要素としては、以下の場合が挙げられます。
- 反復・継続して大量に行っている
- 権利者が告訴し、警察・検察が捜査を開始する
2 トレントを用いた場合
トレント (BitTorrent 等) はP2P型ファイル共有方式です。
トレントを使うと、ダウンロードと同時に アップロード(共有) が自動で発生します。
つまり、大量の作品を複数回ダウンロード、共有するという結果が生じやすいため、意図せず被害範囲が広くなり、悪質性が高いと判断されやすくなります。
トレントついて具体的に知りたい方は次の記事をご覧ください。
また、トレントは、自動でアップロードも行ってしまうシステムであるため、権利者側が発信者情報開示請求を行い、通信ログ等によってあなた自身が特定される可能性が極めて高いです。
トレントを利用している方は併せて次の記事もお読みください。
3 実際に逮捕された事例
トレントを用いて違法アップロード(ダウンロード)を行い、逮捕された事例としては、映画・漫画・写真・ゲーム・音楽があります。
ですが、現状、アダルト動画はいまだ逮捕者は確認できていません。
もちろん、今後、逮捕者が出る可能性はあるため、油断は禁物です。
なお、逮捕されただけでは前科はつきません。
前科とは、刑事裁判で有罪判決となり、刑が確定した(不服申し立てができない状態になった)ことを指します。
トレントの場合、最終的に罰金刑や拘禁刑が確定したときに前科がつきます。
4 逮捕を回避するためにまずすべきこと
逮捕リスクを減らすため、以下の初動対応が重要となります。
- 通知・請求が来たら放置しない
権利者から開示請求にかかる意見照会書・内容証明などが届いたら、すみやかに弁護士に相談しましょう。 - トレント利用・共有設定を停止する
通知受領後直ちにトレントソフト・共有ネットワークを停止(アンインストール)し、利用状況を証明できるよう記録しておきましょう。 - 弁護士に相談・依頼
逮捕リスク・民事での慰謝料リスクを考慮すると、専門知識を持つ弁護士を早期に関与させることが重要です。 - 誠実な対応姿勢を示す
対応遅延、無視、虚偽申告はかえって逮捕リスクを高める可能性があるので注意してください。
5 まとめ
いかがでしたでしょうか。
トレントを利用した違法ダウンロード(アップロード)行為は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金の刑事罰対象となりうる行為です。
ただし、逮捕・起訴されるケースは限定的であり、親告状況・証拠状況・悪質性等の要素が大きく影響します。
逮捕リスクを抑えるには、通知が来たら早期に弁護士に相談するなどが重要です。過度に怖がるより、正しい知識と戦略で冷静に対応することが、最もリスクを減らす道です。
あかがね法律事務所では、これまで数多くのネットトラブルを扱ってきた実績があり、最新の裁判例や制作会社の動向を踏まえて、依頼者に最適な解決策をご提案しています。
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