留置施設での面会ガイド

刑事弁護を検討されている方へ──
今回は、被疑者・被告人と面会を希望するご家族・関係者に向けて、知っておくべき基本ルールから実務上の注意点、そして、弁護士依頼と面会の関係性まで、丁寧に解説します。
1 一般面会のルール
⑴ いつから面会できる?
本人が逮捕されてから、勾留決定がなされるまでの約3日間は、弁護士以外の面会ができません。
したがって、一般面会が許されるのは、逮捕4日目以降が一般的です。
勾留や刑事手続きの流れについてはこちらの記事をご覧ください。
また、勾留後であったとしても「接見禁止」が付されていると、家族・知人であっても原則として面会ができません。
「接見禁止」は解除の申し立てができるため、できる限り早期に弁護士に依頼をしましょう。
⑵ 面会できる場所
逮捕された被疑者は、警察署の留置場か拘置所に身体拘束をされています。
ですが、実際は、実務上9割の以上の被疑者が警察署での留置場で留置されています(女性の場合特定の警察署で留置されます。例:東京の場合、湾岸警察署・原宿警察署等)。
したがって、多くの被疑者との面会が警察署で行われることになるでしょう。
これに対して、起訴後の被告人との面会は、被疑者が拘置所に移送されることが多い関係上、一般的に拘置所で行われることが多いです。
被疑者の留置場所が分からない場合は、まずは警察署に問い合わせましょう。
また、面会の際は必ず運転免許証等の身分証を持参しましょう(確認を求められます)。
⑵ 面会できる日時
警察署の留置場では、平日の午前9時から午前11時までと午後1時から午後4時までの面会が認められています。
これに対して拘置所では、平日の午前8時30分から午後4時までの面会が認められており、若干異なります。
面会できる時間については事前に留置施設に問い合せをして確認しましょう。
⑶ 面会回数や時間
一般面会では、以下の制約があります。
- 面会は原則1日1回1組までしか許されないことが多い。
- 面会時間は20分程度まで。
- 1回の面会で3人まで入室可能。
- 面会中は警察職員・施設職員が立ち会い、事件に関する会話は制限される。
⑷ 差し入れの注意点
面会と同時に差し入れ(一定の物品を被疑者・被告に渡すこと)を検討される方も多いですが、差し入れには次のような制約があります。
- ひも付き、フード付き、ボタン付きの衣類やベルトは差し入れ不可(それ以外の衣類は可能。自殺防止のため。)
- 書き込みのない書籍、写真は差し入れ可能(ただしカバー、ホッチキス、袋とじ等は外されます。)
- 食べ物や刃物は差し入れ不可
- 現金は3万円まで差し入れ可能
具体的にどのようなものが差し入れ可能かも事前に留置施設に確認をしましょう。なお、差し入れは郵送でも可能です。
※拘置所での差し入れは、午前8時30分から午後4時までと時間に制限があります。
2 なぜ「弁護士による接見(面会)」が重要か
ご家族・知人による一般面会には、上述のような制限が多数あります。そこで、事件を担当する弁護士に「接見」(面会)を依頼するメリットが非常に大きいです。
① 時間・回数・曜日の制限がほぼない
弁護士であれば、被疑者が逮捕された直後から接見できます。
また、接見時間や回数に制限がなく立会人も不要です。
② 接見禁止が付されていても対応できる
接見禁止が付されている場合でも、弁護士による接見のみは認められているため、家族や知人からの伝言をすることができます。
③ 心理的安心感
本人・ご家族双方にとって、弁護人接見によって双方の状況が明らかになり、不安が軽減されます。特に勾留中の被疑者は、孤立感・不安感が強いため、この意味でも弁護人接見の役割は大きいです。
3 まとめ
ご家族や知人による面会は本人の拘束状況を確認したり、不安を軽減したり、被疑者にとって重要なものです。
しかし、場合によっては「面会できない」「話せない」「差し入れできない」といったトラブルに直面する可能性があります。
そのため、ご家族・知人として「どの時点で、どう動くか」「弁護士をいつ入れるか」を見据えておくことが重要です。
刑事事件は、初動対応の一つひとつが結果を大きく左右します。不安を一人で抱えず、まずは弁護士へご相談ください。
あかがね法律事務所は刑事事件も豊富に取り扱っておりますので、お気軽にお問い合せください。










